ガサガサ場所が
大ピンチ

 ポンポコでは季節ごとに生きもの調査「野川ガサガサ」を
 行っています。野川には、どの季節でもメダカが最も多い
 ことが分かりました。
 
 ところが堆積した土砂を取り除くための浚渫工事が上流側
 から行われ、きれいになったのは良いのですが、河床が
 真っ平になり、魚達が棲みにくい環境になってしまいました。

  
      2005.3 中之橋~雁追橋        2005.5 中野田橋付近(野川ガサガサ)

 
 
皆で川づくり
 
 2005年度(2006年1~2月施工)は「野川ガサガサ」中心地の
 中野田橋下流から喜多見大橋間で浚渫工事が行われることになり、
 世田谷区と相談し、まずは蛇行したみお筋を作っていただきました。

 つぎに、世田谷区の許可を得て、2006年4月22日、野川に早く
 メダカ達が戻ってくるよう「メダカの棲みかを作ろう!」を行いました。
 せたがや野川の会の中西修一さんにもご協力いただき、本格的な
 道具を持参した大人から、おもちゃのショベルを手にした幼児まで、
 どんなだと魚が喜ぶか考えながら、棲みかになる入り江を作ったり、
 草(セキショウ)を植えたり、思い思いに川づくりを楽しみました。

  

  

  

  

 参加された方々からは、
 「楽しかった」(4才)
 「腰が痛い」(中2)
 「毎日の通勤時に眺めるのが楽しみ」
 「次大夫堀や玉川上水を掘った人達は偉かった」
 といった感想が聞かれました。

 遊歩道や橋で立ち止まって見学する方も多く、
 「素晴らしい」「大切なことだ」「世田谷区はやるねえ」
 とおっしゃっていただきました。


手直し作業

 2006年5月13日に予定していた「春の野川ガサガサ」は雨のため
 中止しましたが、有志4人でその後の様子を見に行きました。
 残念ながら、玉網にはメダカや魚は入りませんでしたが、1ヶ所だけ、
 置いた石に混じってカメがのんびりと休んでいました。

 水量が少なく、せっかくの「棲みか」には汚れた水が溜まっていたので、
 新たに水路を掘って流れるようにしたり、土砂で埋まっていた場所は
 取り除いたり、草を植えたりと、手直し作業をしました。

  

 時間が経って、植えたセキショウ(水をきれいにしてくれる)が
 しっかり根付き、水がきれいになり、隠れる場所ができてくると、
 きっとメダカ達も棲むようになるでしょう。
 これからも自分達で作った野川を見守っていきたいと思います。

 以上、『ポンポコ新聞』第25号(2006.5)より

 
 翌年度

 翌2006年度は、喜多見大橋から大正橋間で浚渫工事が
 行われることになりました。

 ポンポコでは、2006年11月、2007年2月、3月の3回にわたり
 世田谷区工事二課や工事業者の方々と相談する場をもちました。
 できるだけ早く元の状態にもどるようにお願いし、前年度のような
 「蛇行」に加え、重機でハート形や丸や四角の「ワンド」を作って
 いただきました。今後どのように変化していくか楽しみです。

  

 以上、『ポンポコ新聞』第27号(2007.4)より

 
 
その後の経過
 
 その後、みんなで作ったメダカの棲みかや重機で作っていただいた
 ワンドは徐々に消失していきました。経過を見ると、中洲ができるまで
 に約4年掛かっています。

  
   2007.5 工事翌年の喜多見大橋上流    2008.2 工事翌年の重機で作ったワンド

  
   2009.4 工事4年後の中野田橋下流     2009.4 工事3年後の喜多見大橋上流

  
  2010.5 工事4年後の喜多見大橋上流   2001.8 かつての理想的な喜多見大橋上流

 ようやく元の野川に戻るかなと期待していたときに、次の大ピンチ、
 洪水対策として河床を掘り下げる河床整備工事の計画が持ち上がり、
 2011年に「みんなの野川をみんなでつくる」を行うことになりました。

 


 





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