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竹山市民緑地 が進化中 所在地 世田谷区喜多見5-20 手前の色の濃いのが真竹 孟宗竹と園路 朝のミーティング 枝払い 間伐 タヌキのため糞 つまんで鼻に近づけてみました が臭いはあまりないようでした 『ポンポコ新聞』 第68号より(2018.3) 西側に新設された入口 咲き始めた オオシマザクラ 2022.3.28撮影 |
次大夫堀公園の南、子どもの遊び場に隣接する「喜多見五丁目 竹山市民 緑地」が進化を続けています。市民緑地を維持管理している一般財団法人 世田谷トラストまちづくりの小林宏志さんにお話を伺いました。 区内で一番広い 竹山市民緑地は2017年8月の市民緑地契約の更新で 2,919,53平米から 3,847,79平米に拡大しました。もともと世田谷区内に今ある市民緑地の中で 一番広かったのが、これでダントツの一番になりました。 マダケ林を再生しよう これまでの範囲はモウソウチク(孟宗竹)だけでしたが、追加された範囲 にはマダケ(真竹)もあります。モウソウチクは中国原産、えぐみの少ない 食用のタケノコが収穫でき、喜多見では市場に出荷もしていました。 マダケは弾力性があり長持ちするので、ざるや籠などの生活道具を作るの にもよく使われました。かつて、ここから次大夫堀公園手前までマダケ林だ ったのが、宅地化されて面積が減り、残ったマダケもモウソウチクのほうが 強く侵食されてしまったようです。かつての風景を再生しようと、マダケの間 に生えているモウソウチクの間伐を始めています。 もっと頑丈に作ってやる! こうした竹の間引き、草刈り、園路づくりなどを行っているのが、「竹山市民 緑地ボランティア」の皆さんです。隣の公園から緑地へと進出してくる子ども 達もおり、元気が良すぎて園路の柵などが壊れてしまうこともあるそうですが、 ボランティアさんたちは「こんちくしょう、もっと頑丈に作ってやる!」と闘志を 燃やしているそうです。 タヌキもお気に入り 新たに追加された場所では、タヌキを見かけるという目撃情報があり、 ため糞や足跡も見つかっています。 「喜多見は自然が一カ所だけに集中するのではなくモザイク状に残って いる環境があるからタヌキもいて、この緑地はタヌキのお気に入りの場所 の一つなんでしょうね」と小林さん。 間伐した竹の処分が悩み そんな中、悩みは年300本以上になる間伐竹で、今はお金を払って処分 しています。夏は流しそうめんに、年末は正月の門松にと持っていかれる方 もいますが、微々たるもの。2018年1月には、鎌田南睦会が多摩川河川敷 で正月のしめ飾りなどを燃やす「どんど焼き」のやぐら用にと持って行ったり、 取材に伺った日には、桜上水の「土と農の交流園」で畑を仕切るために使う 竹を伐り出しに来た方々もおられました。「利用したい方はボランティア活動 に体験参加してもらえれば提供できます」とのこと。 地域の方に利用してほしい これまでは公園側からしか出入りできませんでしたが、整備して出入口が 2カ所になったので、「通過するだけでも結構ですから、地域の方に来て利用 していただきたい」そうです。運が良ければタヌキにも会えるかもしれません。 市民緑地制度 とは 都市に残された民有地のみどりを保全する制度です。世田谷区では、 世田谷トラストまちづくりが土地所有者と契約を結び、維持管理を行ってい ます。市民緑地に指定されると、所有者はみどりの維持管理や固定資産税 ・都市計画税・相続税について優遇措置を受けられるメリットがあります。 (世田谷トラストまちづくり URL) ボランティア 竹山市民緑地では、毎月第2・4火曜日の10~12時、 活動人数は平均10人くらい、随時募集中です。 (世田谷トラストまちづくり URL) 散策路がつながります「竹山緑地」 「喜多見五丁目竹山市民緑地」は所有者から世田谷区に寄付され、 2020年9月に「区立喜多見5-21遊び場」の一部となりました。 さらに、2021年11月から整備工事が行われ、2022年6月に 「竹山緑地」としてリニューアルオープンする予定です。 工事は可能な限り既存の緑地を保全するという方針で行われ、 土蔵も風景の一部として溶け込んでいます。 竹山市民緑地の時に入り口は、遊び場側(東)と隣接する道路側(北) の2箇所でしたが、新たに遊び場の反対の道路側(西)、 竹垣の並びにもう1箇所でき、通り抜けができるようになります。 次大夫堀公園(民家園)も遊び場の向かい側まで拡張されたことで、 野川~民家園~遊び場~竹山緑地がつながり、 稲荷塚古墳~慶元寺~氷川神社~みやっぱら公園方面へと 散策路がつながるようなイメージになります。 遊び場の中央にあり、2016年に病気のため伐採された オオシマザクラの「ひこばえ」も育ち、今年も元気に咲きました。 オープンが楽しみです。 『ポンポコ新聞』第76号より(2022.4) |