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喜多見が誇る
名木たち


①シンパク


⑤ウメ


⑥ムクノキ

『ポンポコ新聞』
第18号より(2004.8)

 昭和63年に世田谷区が「名木百選」を選定しました。
 全部で104、そのうち喜多見から7つ(プラス番外編2)が選ばれています。
 皆さんにお話を伺いました。

 ①シンパク(ビャクシン)/田中家、喜多見7丁目/田中優一さん
 「盆栽として有名なシンパクが200~300年かけて大きくなったそうです。
 私が15~16才の時、父が岡本にあった代議士の家から譲り受けてきました。
 家の横の屋敷林も世田谷区の保存並木1~22号に指定されているんですよ」

 ②ハナミズキ/浦野家、喜多見7丁目/浦野裕さん
 「ハナミズキは、大正4年にアメリカにサクラを贈った返礼として寄贈された
 ものだそうです。我が家が成城に持っていた土地を借りていた外国人の方が、
 原木の1本をどこかから手に入れ、引っ越しの際に置いていったため、
 昭和初期に祖父が持ち帰って移植したと聞いています。その祖父も祖母も
 父もこの花がきれいな4月に亡くなっており、父の時は、母が満開の枝を折って
 お棺の中に入れていたのを忘れません」

 ③カヤノキ④ケヤキ(群)/慶元寺、喜多見4丁目

 ⑤ウメ/宝寿院、喜多見5丁目/阿頼耶徹応さん
 「門を入って手前のウメがそうです。30代目が川向こうの久地から荷車に
 乗せて運んできたと聞いています。お寺は檀家の家で行き先が無く困って
 いる木を引き受けることがよくあり、このウメもそうです。シロカガという種類
 のウメで、実が大きく種が小さいので、檀家の方やお参りに来られた方が
 拾っていかれて梅干などにされているようです。本堂の前にある樹齢
 二百数十年というサルスベリもぜひご覧になってください」

 ⑥ムクノキ/須賀神社、喜多見4丁目/永井秀雄さん
 「須賀神社の社殿前にあるのがご神木のムクノキです。樹齢は約400年
 といわれ、世田谷区の名木百選のほか、大樹・名木コンクールにも入賞
 しています。戦前までは“鳴く木”として有名だったのですが、大きな鳥が
 この木から飛び立ち、その時から鳴かなくなりました。また、5~6年前まで
 は東南アジアからコノハヅクが渡って来て、ヒナをかえし8月に帰って
 行ったのですが、カラスにいじめられて来なくなってしまいました。
 かつては自家用の味噌や醤油用に田んぼの周りに大豆を蒔いていた
 6月に飛来していたため、近くの人は“マメマキドリ”と呼んで親しんで
 いました」

 『世田谷区名木百選』に、「区内随一」と書かれていた7丁目のウメの木は
 所有者の方が亡くなり、国有地となった時に伐採されてしまったことが
 わかりました。大変残念です。



ポンポコお薦めの
「桜」


平安神宮の桜の妹
砧小学校の
ヤエベニシダレ

『ポンポコ新聞』
第31号より(2008.4)

  野川の神明橋付近
 野川の両側に色とりどりの桜が植えられています。桜シーズンは大勢の
 人が散歩に訪れます。

  喜多見ふれあい広場
 多目的広場の芝生を囲むように桜が植えられています。子ども達は
 ボール遊び、大人は読書、家族でランチなど、思い思いに楽しめます。

  庚申塚の前
 いかだ道と中道が分かれる所にある庚申塚前の小さな桜、エドヒガン。
 可憐な感じが素敵です

  氷川神社
 シダレザクラ、ヤマザクラ、それに濃いピンクのキクモモ、モモ・・・
 もう少しするとボタンやシャクナゲも咲き始めます。

  慶元寺と喜多見中裏の緑道
 慶元寺幼稚園と道を挟んで反対側にある緑道の桜並木が良い感じです。

  喜多見5丁目子どもの遊び場
 公園の真ん中に1本だけあるオオシマザクラ。花が終わったあとに実る
 小さなサクランボが甘くてとっても美味しいんです。

  知行院
 山門脇の大きなソメイヨシノ。夜はライトアップされます。

  宝珠院
 本堂前のヤエベニシダレがきれいです。

  次大夫掘公園
 田んぼと築山の周りに桜があり、親子グループがお弁当を広げています。
 近くにコンビニやファーストフード店もあって便利です。

  砧小学校
 幹の太さから喜多見地域で最も古いと思われるソメイヨシノ(通称:百年桜)
 や、創立100周年を記念して贈られた平安神宮の桜の妹、ヤエベニシダレ
 もあります。

  野川の水道橋付近
 少し早めに咲く河津桜と、野川に枝を垂らす大きなソメイヨシノ。それぞれに
 見ごたえがあります。

 <桜の種類>
 喜多見の桜を眺めてみると、花の色、木の形、葉の出方などちょっとずつ
 違うことに気がつきました。桜は約六百種類あるとも言われていますが、
 とりあえず、主にどんなものがあるのか調べてみました。よく見るのが
 ソメイヨシノ。エドヒガンとオオシマザクラを交雑して造られた品種です。
 花だけなのはエドヒガンの特徴を受け継いでいます。エドヒガンの花は
 ソメイヨシノより一回り小さく、萼筒(がくとう)が丸く膨らんでいます。葉と
 花が同時に開くもので、若葉が赤いのがヤマザクラ、若葉が緑色なのが
 オオシマザクラです。オオシマザクラの花はほぼ白色なので、遠くから見ると
 緑白色の涼しげな雰囲気があります。シダレザクラでも、氷川神社と
 宝珠院では花がちょっと違います。面白いですね。

 

明治35年創立
砧小の記念樹


砧小学校の「百年桜」
2008年撮影

『ポンポコ新聞』
第68号より(2018.3)

 
 砧小学校は、明治35(1902)年に喜多見尋常高等小学校と朝陽尋常
 高等小学校が合併したのが始まりです。

 創立時に喜多見小からアオギリ2本、朝陽小からソメイヨシノ2本が移植
 されました。このソメイヨシノが百年桜、2本あるので夫婦(めおと)桜とも
 呼ばれていました。どちらも弱ってきたため樹木医に相談し、アオギリは
 2017年11月と2018年2月に太い幹の上部を伐り、萌芽を待っている
 ところです。ソメイヨシノも樹勢回復のため2017年11月に一部の枝を
 伐りました。2018年3月15日に拝見するとソメイヨシノは蕾を沢山つけて
 いましたので、順調に回復しているようです。

 このほか2002年の創立百周年記念に寄贈された、京都・平安神宮の
 桜の妹、ヤエベニシダレもあります。

 春休み期間(2018年の場合、3月24日から4月5日8:05~16:30)
 は門が開放されており、これらの樹々を見ることが出来ます。



 現在の喜多見小学校は昭和47年に学区域を変更して新設されました。
 喜多見の通学区域は、1~5・7丁目が喜多見小学校、6丁目が砧小学校、
 8・9丁目が明正小です。

 

生きている竹垣


石井さんのご家族
(左が竹垣)

『ポンポコ新聞』
第19号より(2004.11)

 
 喜多見5丁目知行院の並びにある石井さんのお宅は、
 「こんな家に住んでみたい」といつも思う理想の家です。
 この家の竹垣が生きているってご存知でしょうか?

 蓬莱竹(ホウライチク)という竹で、根が広がらないので境界にしたり塀に
 利用されます。鹿児島では、特に古くからの武家屋敷などで見られますが、
 関東地方では大変珍しいそうです。

 




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