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野川は鳥で大にぎわい
カワセミ
『ポンポコ新聞』
第15号より(2003.10)
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野川は、知る人ゾ知る鳥たちの宝庫。特に11月から3月にかけて、
大陸から渡って来る鳥、山から降りて来る鳥でにぎわいます。
鳥たちは野川を、
①魚・水生昆虫・水生植物・水辺の草の実などのエサをとる
②水を飲む
③休憩する
④巣をつくる場所 として利用しています。
そんな鳥たちを見守り続けている皆さんにお話を伺いました。
約80種類
成城4丁目の大山学さんは、10年ほど前に越してきてカワセミをひと目
見てから鳥たちの虜になりました。「冬の間、川沿いの桜ではコゲラが
木を叩いていますし、オオタカも2~3日に一度は見ます。今年は
サンコウチョウを見たという方がいました。これまでに約80種類が
目撃されています」
V字飛行
喜多見6丁目の永井和夫さんは喜多見で生まれ育ちました。
「11月初旬から中旬、東名高速から小田急線の間で日の出前の
わずかな時間に20~40羽のコサギやゴイサギ、時にはカワウが、
V字形を作って上流の方向へ飛んでいきます」
カワセミが来ない
喜多見7丁目の田村弘美さんは雁追橋近くで印刷会社を営んでいます。
「以前、中野田橋の近くに桑の木があって、春になるとカワセミが子育て
に来ていましたが、その木が無くなってから全く来なくなってしまい残念です」
相談しながら管理していきます
世田谷区砧土木管理事務所の白勢さんに聞くと、
「ご指摘の木は護岸から生えていてそのまま放置すると護岸が崩れる
恐れがあったので、当時、野川流域連絡会と相談し伐採しました。
皆さんに大切にされている川ですから、今後も皆さんと相談しながら
管理していきます」とのことでした。
写真はアルバさん提供
http://homepage3.nifty.com/alba/
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我が家にも作ってほしい
と羨望の的
「ツバメの巣」
ツバメの親子
(写真提供:大黒さん)
『ポンポコ新聞』
第29号より(2007.9)
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喜多見中部町会の集まりで、東海林さん宅にツバメが巣を作ったことが
話題になり「我が家にも作ってほしいなあ」とみんなの羨望の的になりました。
東海林さん宅は喜多見7丁目の住宅地の中にあります。近所の関根さん宅
では数年前から毎年巣が作られていて、東海林さん宅と向かいの大黒さん
宅でも今年初めてツバメが巣作りをしました。5月中旬、ツバメがいるなと
思ったら3日ほどで巣ができ、メスが巣の中にいる間は近くの電線からオス
が見張り番。6月から7月上旬の子育て中は、ゴミ集積所にカラスが来ると
親鳥達が攻撃するので、ゴミが荒らされることも無かったとか。
糞の始末は少々手間ですが、ほんの1ヶ月程度のこと。「また来年も来て
ほしい」と楽しみにされていました。暖かい人達に見守られ、子ども達が
走り回り、近くに空き地があり、野川にも近く、遠くに成城三丁目緑地の
緑が見える、という環境が気に入られたのかもしれませんね。
喜多見のツバメ
せたがやトラスト協会が2000年に行なったツバメ調査によると、
世田谷区の他の地域の巣は一桁台がほとんどなのに、喜多見は34個で
ダントツの1位です。喜多見に多い訳は、周辺に野川や多摩川があって
エサを探しやすいから。そして喜多見の人たちが優しいからなんでしょうね。
『ポンポコ新聞』第10号より
補足情報
ツバメは、農作物の生育上一番大切な時季に渡ってきて、大量に発生
するガ、ウンカ、ユスリカ、シロアリなど人間や作物に害を与える昆虫を
1日に数百匹捕って食べています。人間の近くに巣を作り、その回りの
農耕地の害虫を飛びながら捕ってくれるツバメは、益鳥の代表として
大切にされてきました。全国に「ツバメが巣をかける家は縁起が良い」
「ツバメが巣をかける家は病人が出ない」「ツバメの巣が多いほど繁盛
する」といった言い伝えがあります。
参考資料:
日本鳥類保護連盟『野生鳥類の保護』、
あすなろう書房『ツバメのなかまたち』
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ツバメに選ばれた
喜多見商店街
「エ!ツバメ通りですか」
野川で巣材を集める
ツバメの夫婦
『ポンポコ新聞』
第43号より(2011.4)
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よく飛び交うツバメを観察していましたら、ある店主さんが、
「この通りはツバメ通りだよ」と云われました。
10年程前の旧名(財)せたがやトラスト協会が調査したツバメの
営巣記録を見ますと、12箇所ほどの巣がありました。
ここ最近は商店街からツバメの姿が消えてしまった所もある中、
喜多見商店街は15箇所ほどに増えています。
ツバメは人間と共存している野鳥ですので、ツバメの営巣状況から街の
様子を知ることも出来ます。ここの商店街は、巣材を作る材料が近くを
流れる野川にあることや、巣に受け台を作って温かく見守ってくれる
店主の方々や、マンションにお住まいの方々に見守られての街である
ことを感じました。
ツバメの子は巣立ちしますと、二番子の子育てのために巣には戻れず、
集団でねぐらを形成します。鎌田二丁目先の多摩川にあるヨシ原もその
一つです。ここのヨシ原も減少しつつありますが、これからも野川共々
豊かな自然を大切にしたいですね。
(写真・文ともに原田さん提供)
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そのままにしておきましょう
野鳥のヒナ
喜多見駅前で見かけた
ツバメのヒナ
『ポンポコ新聞』
第76号より(2022.4)
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これからの季節、巣から落ちた野鳥のヒナに会う機会があるかも
しれません。どう対応したらよいか、野鳥ボランティアの原田欣典さんに
伺いました。
「日本では「鳥獣保護管理法」という法律があり、
野鳥の飼育は原則禁止されています。どの野鳥のヒナも同じですが、
親から給餌を受け、羽ばたきをしながら、飛べるようになると巣立ちます。
巣から離れて飛び出す段階で上手く飛べず、巣から落ちる子や、
巣立ち直後はあまりうまく飛べない子もいます。
でも、親鳥は近くで見守っているはずです。
そのままにしておくのがベターですが、周りの状況が危険でしたら、
近くに巣があれば巣に、無ければ木々や茂みがあれば、
そ~っと戻してあげてその場を去る方が良いでしょう。
人が近くにいなければ、餌を運んできて、その内元気に飛び立ちます。
貴重種でケガなどしている場合は、各都道府県の野生鳥獣保護担当
機関に相談してみてください。なお、ヒナに触る際は手袋をするか、
後で手をよく洗うようにしてください。」
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