開催趣旨

 野川で洪水対策として河床を1.5m掘り下げる工事が行なわれています。
 2012年度は喜多見大橋から上流で工事を行う予定ということです。
 中野田橋から茶屋道橋は野川ガサガサ実施区間であり、喜多見大橋上流
 の風景は世田谷区の地域風景資産にも選定され、みんなのお気に入りの
 場所です。そこで、どんな川にしたいのか皆で考えようと、
 ワークショップ「みんなの野川をみんなでつくる」を実施することにしました。
 (協力/野川の多自然川づくりを考える連絡会)

 なお、「みんなの野川をみんなでつくる」は、
 世田谷区地域の絆推進事業の補助を受けて実施しました。
 
ワークショップ1 「野川情報大募集」

 2011年5月21・22日



 場所/
 喜多見まちづくりセンター

 案内/
 ポンポコ新聞&HP、
 中部町会回覧・掲示板、
 近隣へチラシ配布

 野川の地図に、ここが好き・嫌い、こんな鳥がいた、この木が好き、
 こう作ってほしいなどの情報や要望を書いていただきました。
 (対象=喜多見大橋~中野田橋を中心に、中之橋まで)

  結果

 

 
 2011年6月

 寄せられた情報や意見をもとに、専門家のアドバイスをいただきながら
 イメージ図を4種類つくりました。
 
ワークショップ2 「こんな野川はいかがでしょう?」 

 2011年7月1日



 場所/
 喜多見地区会館


 案内/
 ポンポコHP、
 中部町会回覧・掲示板、
 近隣へチラシ配布
  

 試作したイメージ図を紹介し、こんなふうに修正してほしい、こんなメリットや
 デメリットがある、などの意見を出していただきました。また、東京都の担当者
 からも実現可能性を伺い、3つの案に絞り込みました。

  結果 

 案1 現状維持
 工事費を世田谷ダム構想に振り替え、雨水浸透マスや
 雨水タンクの助成額を増やして普及させ、雨天時に雨水が
 一気に川へ入らないようにし、効果を検証したうえで再考する。

 



 【良い点】
 ・ 現在の自然環境が維持される
 ・ 川が左右に動き易く変化が生まれる
 ・ 子ども達の管理が必要ない

 【悪い点】
 ・ フェンスがあるので川に入りづらい
 ・ 雨水貯留のため2千~3千億円必要
 ・ 治水能力があがるのに時間がかかる
 ・ 集中豪雨は世田谷のみでなく難しい


 
 案2 スライドダウン
 現在と同じような形状のまま全体的にスライドダウンし、
 川原を狭くすることで、掘削を必要最小限にする。
 次大夫堀公園側に階段を数ヶ所設置する。開放してみて
 利用者のマナーに問題が生じたら閉鎖する。
 水際にはヨシやヒメガマなどを植えて土留めする。


 

 
 【良い点】
 ・ 子ども達が川に入りやすい
 ・ 川が左右に動き易く変化が生まれる
 ・ 現状の水深が確保できる

 【悪い点】
 ・ 階段をつくると遊歩道が狭くなる
 ・ 水際植生は維持できない可能性あり
 ・ 深くなる分、子ども達が危険
 ・ 犬も入ると野鳥が嫌がらないか心配


 
 案3 左右非対称
 現在の形状を参考にしつつ、部分的に現在程度土盛りしたり、
 大きな石や丸太などを置いたり、深みをつくるなどして変化させ、
 掘削を必要最小限にする。水際にはヨシやヒメガマなどを植えて
 土留めする。


 

 
 【良い点】
 ・ 自然状態の河川に近くなる
 ・ 深さが異なると色々な生物が棲める
 ・ 景観上も良くすることができる

 【悪い点】
 ・ 深さ50cmを超えると子どもには危険
 ・ 当初の想定どおりにいかず失敗する
   可能性が案2より高い
 ・ 土盛りが削られる、埋まるなどに対応
   し、工事後の維持管理が必要になる

 ワークショップ3 「いよいよ投票だぁ!!」
 
 2011年8月28日



 場所/
 喜多見まちづくりセンター

 案内/
 ポンポコ新聞&HP、
 中部町会回覧・掲示板、
 近隣へチラシ配布


 子どもから大人まで、どの案が気に入ったか投票していただきました。
 投票できる票数は、野川のすぐ近くに住んでいる人、まあまあ近い人、
 一般の人、投票日に行けないのでメールで投票する人などで差をつけ、
 さらに、ポンポコの野川ガサガサに参加したことがある人などには
 加算ポイントを付けました。

  結果
       第1位 現状維持 96票
       第2位 スライドダウン 45票
       第3位 左右非対称 6票

 成城にお住まいの方も来られましたが、ほとんどが喜多見にお住まいの方で、
 ご夫婦、ご家族、お友達と一緒、お一人、様々でした。案2を選ばれた方からは、
 「子ども達が入れるように」という声のほか、「今のままが良いけれどきっと無理
 だろうから、せめてスライドダウンで」という声が聞こえてきました。2年前の
 区民まつりで私達が行った人気投票で「喜多見大橋から見た野川上流の眺め」
 は第3位、今の姿が喜多見の住民に親しまれていることからしても、今回の結果
 は住民の気持ちを概ね表わしていると思われます。

 
 2011年8月30日

 東京都の担当者へ結果を伝えました。 

 
 2011年8月30日
    ~10月2日

 投票結果を発表しました。
 案内/ポンポコ新聞&HP、中部町会回覧・掲示板、近隣へチラシ配布

 反映状況 「都市河川で初のスライドダウン」
 
 2011年11月3日



 場所/
 喜多見区民まつり
 (喜多見小学校校庭)


 及び
 『ポンポコ新聞』
 第46号(2012.2)

 設計にどのように反映されたか状況を発表しました。

  発表内容

 投票結果を東京都へ伝えると、さっそく2011年度に工事をする水道橋から
 喜多見大橋についてスライドダウンが採用されることになりました。
 スライドダウンという方法は、東京都ではあきる野市の平井川で採用した
 ことがありますが、市街地を流れる河川(都市河川)では初めての試みです。

 2010年8月に国土交通省河川局(河川環境課・治水課・防災課)から
 都道府県宛に「中小河川に関する河道計画の技術基準について」(PDF
 という通達が出されました。この通達で、現状が良好な自然環境を形成して
 いる河床はできるだけ改変しない、掘削する時は現況のみお筋(河床の深く
 なったところ)や瀬・淵・ワンドなどの形を平行移動すること、とされています。
 この「平行移動」がスライドダウンです。つまり、必要最低限は掘り下げる
 けれども、景観上も生物の生息環境上も良好な野川の現状を模写し、
 野川がもつ自然の復元力を発揮しやすくしましょう、という作り方です。

 具体的には工事業者へ次の指示が出されました。
 ①河床は平らにしない
 ②現場の河床材(礫)を仮置きして水際部に寄せ石を施す
 ③みお筋の平面形は現河床の微地形を参考にする(スライドダウン)
 ④水際部は直線化しない。自然な水際部を形成する
 ⑤土丹層が露出した場合は、余掘して現河床の礫を投入する。

 2011年度に工事をする区間について東京都が調査したところ、水道橋下の
 河床にあるコンクリートの下に、直径110cmの水道管が入っていて、掘れ
 ないことが分かりました。さらに、2008年度に測量した時より河床が洗掘
 されて深くなっていることも分かりました。その結果、流下能力を確保する
 ために高水敷(河原)を70cmくらい下げ、根継ぎ工を入れるため一旦、
 1mほど掘るものの、出来上がりの河床は現状より30~40cm程度下がる
 だけで済むことになりました。高水敷が下がる分、緑化護岸が下まで見える
 ことになりますが、環境、治水、防災の三者を満足させるギリギリのところ
 ということでしょうか。

その後の状況はこちら
 


 





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